内容
第1条 最高法規
法は、秩序構築を目的とする。
この憲法案には前文がありません。
その理由は、長い前文が読者にとって苦痛であるというのもありますが、一番は科学的な憲法に制作者の主観にすぎない前文は不要であると判断したためです。
それを踏まえて、秩序も主観的な概念ではないかと考えるかもしれませんが、少し違います。
というのも、国民総会憲法案では解釈改憲を防ぐために第3条で「用語」について定めており、そこで「秩序:維持すべき状態」と定義しています。
つまり、ここでの秩序とは、
- 持続可能であること。
- 一般的な正当性をもつこと。
の両方を満たした状態であり、持続可能性に主眼を置くことでできるだけ主観を排除しています。
なお、より主観を排除できる表現があれば、𝕏のDMまたはお問い合わせから教えてください。
参考
日本国憲法との比較
日本国憲法の前文は、以下のとおりです。
全体として、良くも悪くも第二次世界大戦の影響をよく受けています。
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷徒、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
日本国憲法の前文は、長文で読みづらいですが、大きく4つの段落に分かれているので段落ごとに見ていきます。
国民主権
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
第1段落は、4文構成です。
1文目の趣旨は、以下の3つです。
- 国民による公正な選挙で選出された国会議員が中心となって政治を行うこと。
- 日本の長期的な国益を守り、かつ戦争を起こさない外交を行うこと。
- 国民主権であること。
2文目では、国民主権を強調しつつその恩恵を受ける者も国民であることを述べています。
3・4文目では、国民主権=人類普遍の原理としてこれに反する一切の法を排除しています。
つまり、日本国憲法において国民主権は、人類のもつどの憲法よりも上位なのです。
平和主義
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷徒、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
第3段落は、3文構成です。
1文目では、以下の3つを述べています。
- 国民が、永遠の平和を願うこと。
- 国民が、人間関係を支配する崇高な理想を深く自覚すること。
- 平和を愛する諸国民の正義を前提として、自国の平和を目指すこと。
1つ目は問題ないですが、2つ目と3つ目は注意が必要です。
2つ目について、崇高な理想の詳細が不明です。
3つ目について、(戦争で対峙した)諸国民が平和を愛すると断定しています。
これは、敗戦国としての日本を立場を表す一説であるとも捉えられます。
また、「〜を念願し、〜を深く自覚する」「〜に頼して、〜と決意した」という表現は結びが瞬間的な動作の口調であり、まるで日本人が平和を希求していなかったかのようです。
さて、2文目を見ていきましょう。
ここでは、再び平和維持の確認を行い、専制、隷徒、圧迫および偏狭の撲滅を目指す国際社会に貢献したいと述べています。
国家間の尊重
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
第3段落は、日本から世界へのメッセージで、以下の2つをのべています。
- 自己中心的になってはいけません。
- 主権国家は、政治道徳の法則に従いましょう。
1つ目は、公共の福祉の国家版なので特に異論はありません。
問題は2つ目で、政治道徳の法則の詳細が不明で非常に主観的です。
主観的な表現は、理想として不安定です。
締めくくり
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
特に言うことはありません。
