はじめに
文字式
展開と因数分解
複素数とは何か
直線からの開放
私たちはこれまで、数“直線”上で数を扱ってきた。
突然だが、数直線から解放されたこの矢印も数と認めてみよう。
数のルール
これを数と認めるなら、これまでの数がもっていた規則は必ず守ってもらいたい。
ところで、その「規則」とはなんだろうか?
実はこれはとてもシンプルで、「『足し算』と『掛け算』の2つが成り立つこと」だ。
と言うのも、数直線上のこの2つ以外の操作は、すべてこの2つの操作の応用にすぎなかったのだ。
数平面
早速、足し算を考えてみたいところだが、先に掛け算を考えてみよう。
まず、この数を \(z\) と呼ぶことにする。
また、1と \(z\) との間の角度に「偏角」という名前をつけて「\(θ\)」で表すことにしよう。
まずは単純に、\(z^2\) を計算してみよう。
掛け算の定義通りに計算すると、大きさは \(|z|^2\) で偏角が \(2θ\) の数ができる。
同様に、\(z^3\) を考えると、大きさは \(|z|^3\) で偏角が \(3θ\) の数ができる。
さらに \(z^4,\,z^5,\,…,\,z^n\) と繰り返していくと、zは大きさ \(|z|^n\) 、偏角 \(nθ\) の数になるように同一平面上を回転してくことがわかる。
そこで、この平面を「数平面」と命名しよう。
虚数単位
この新たな数を数式で表現するため、まずは数平面上の基準を考えてみよう。
もちろん、最初の基準は1だ。
ただし、数平面は2次元なので、基準はもうひとつあると便利だ。
その数を \(i\) と置いてみると、\(z\times i\) とは、\(z\) を \(|i|\) 倍して \(i\) の偏角だけ回転させることを意味している。
それならば、\(|i|=1\) かつ \(i\) の偏角がシンプルだと嬉しい。
そこで、\(i\) を大きさ 1、偏角 \(\frac{τ}{4}\) の数と定めてみよう。
実は、これは「虚数単位」と呼ばれている。
歴史的に「虚」という漢字を使うが、実際はまったく「虚」などではない。
まったく確立された数の一側面である。
複素数
数平面上のすべての数は、\(x+yi\)(\(x,\,y\) は実数)の形で表せる。
このように、数平面上の数は2つの基準を用いて表されるので、「複素数」とも言う。
また、数平面のことを「複素数平面」とも言う。

