0. はじめに
過去30年間で、日本はほとんど経済成長をしていません。
世界的に見てもトップクラスの水準の教育を受けているはずの、礼儀正しく勤勉な国民性の日本人が、なぜ成長しないのでしょうか。
国家の停滞は、歴史的に既得権益層の固定が原因である場合がほとんどです。
その観点から見て、日本の議院内閣制は行政府に権力が集中しやすく、また直接的な民意による強制力が働きにくいと言えます。
例として、閣法に対して議員立法の成立が少ないことは有名ですが、財・政・官の癒着を象徴する「鉄のトライアングル」も民意の反映を阻害する深刻な問題とされています。
司法に関しては、裁判員制度や国民審査等で少しずつ民意を取り入れる姿勢を見せてはいるものの、その視点では形式的な制度に留まっているのが現状です。
そこで、全国民参加型の最高に透明な政治を実現できる国家の最高意思決定機関として、国民総会を提案します。
これを実現するにあたり、国民総会は憲法案を作成しました
日本国憲法をベースに簡潔さを重視して内容を全17条に濃縮したので、日本国憲法全103条よりもずっと簡単に読めます。
ただし、以下ではそれを見ずとも理解できるように補足しながら進めるので、ご安心ください。
1. 国民総会の仕組み
まず、国民総会は定期総会を毎年11月上旬に開きます。
そこでは、主に以下の3項目を行います。
- 憲法決定:憲法に関する決定。
- 国職信任決定:国会、内閣および裁判所それぞれの過去一年の業績に関する評価。
- 国勢調査:日本に住所をもつ人に関する調査。財政、予算、行政、立法および軍事等に関する評価も行う。
ここでの決定とは、国民投票による採決を意味しています。
ただし、実際の運用では国勢調査のアンケートの一部のようにする予定です。
国職信任決定では、国会、内閣および裁判所のどれか一つでも否決された場合は国職不信任とし、現職の国会議員、閣僚および最高裁判所裁判官(国職員と総称している)は総辞職させ、直後に行われる国職員総選挙への立候補も禁止している。
国職員全員を運命共同体とすることで、従来の政治システムではうまく働いていなかった三権分立を強制的に機能させています。
毎年定期総会を開くのは莫大なお金がかかるので、非現実的だと思うかもしれません。
コストについては後に解説しますが、ひとまず、次は1年間のスケジュールについて確認しましょう。
2. 1年間のスケジュール
まずは、ざっくりとした時系列です。
- 4月:新年度開始。
- 8月:各省庁が次年度予算案を財務省に提出。
- 9月:財務省が予算の最小効率化を行い、内閣に提出。
- 10月:内閣は次年度予算案を総会および国会に提出。
- 11月上旬:定期総会で憲法決定、国職信任決定および国勢調査を行う。
- 11月中旬:国職不信任の場合、総務省が国職員総選挙管理委員会を設置。
- 12月上旬:国職不信任の場合、国職員総選挙挙行。
- 12月中旬~下旬:国職不信任の場合、引き継ぎ。
- 12月末日:国職不信任の場合、国職員総辞職。
- 1月:定期国会開会。
- 3月:定期国会で予算確定。
ここで注目して欲しいのは、やはり11月上旬の定期総会です。
ここで定期総会行うことで、次年度の国政にしっかりと民意を反映させられるだけでなく、政府はどんな政治計画を実行していたのか、どんな政治計画を実行していくのかを国民がしっかり理解した上で政治に参加できるようになります。
これにより、「政治は難しそうだから、選挙に行かなかった」「何言ってるかさっぱりだけど、頭良さそうだからあの人に投票しよ」というような政治への理解不足が原因の棄権や無責任な投票を防止できます。
と、ここまで国民総会の大まかな紹介をしてきましたが、「年1回の国職信任決定は、長期的な政治運営を困難にするのではないか」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか?
そこで、これを防止するための方法として、次章では国民総会アプリを紹介します。
3. 国民総会アプリ
国民総会の運営は、基本的にアカウントとマイナンバーが紐付けられた専用のアプリケーション上で行う予定です。
そこでは主に、定期総会および選挙総会の実施、政治の広報およびその他行政機能の集約の3つを行います。
まず、定期総会および選挙総会の実施については先述した通りであり、特に疑問はないと思います。
ただし、これらはネットに疎い人々にはハードルが高いので、投票所などは減らすとしても、完全な削除はしない予定です。
逆に、定期総会や選挙にアプリから参加するのか事前にアンケートを行い、同意を行った人のみがアプリから参加でき、それ以外の拒否または回答を行わなかった人には従来と同じように用紙を郵送して近くの投票所に提出してもらう予定です。
政治の広報については、日々の政治に関するニュースを紹介するだけでなく、政府が過去に発表したデータや日本の全法、およびそれらの解釈を閲覧できるようにしたり、選挙期間中には各政党や政治家が選挙演説や記事などを投稿できるようにしたりしたいと考えています。
また、公約宣誓書 Manifesheeto を導入し、公約宣誓時に期限や予算、リスク等を併せて発表させる画一的な仕組みによって短期的な政治や無責任な政治を防止します。
その他行政機能の集約については、消費者生活センターの相談窓口やワクチン接種の受付など、インターネット上で受けられる様々な行政サービスを集め、国民の社会福祉を充実させる狙いがあります。
国民総会アプリのセキュリティー面に関しては、ネット上での行政システムが確立されているエストニアの電子政府システム「X-Road」などを参考に、日本のもつサイバーセキュリティの技術力をふんだんに使用すれば、十分に実現可能であると考えられます。
次は、いよいよコストについてです。
4. コスト
国民総会を計画する上でのコストとして考えられるのは、初期投資とアプリの維持費、そして定期総会および選挙総会にかかる費用です。
一つづつ見ていきましょう。
まず、初期投資について、エストニアの「X-Road」の開発費用が約100万ドル(約1億5000万円)であることや、エストニアの人口が約140万人であるのに対して日本の人口が約1.2億人であること、エストニアの最低賃金が約700円であるのに対して日本の最低賃金が約1000円であることを考慮して、ざっくり180億円と推定できます。
ただ、日本のマイナンバー制度の導入に伴う初期費用が約3200億円と試算されていることから、最大では数千億円程度になる可能性もあります。
次に、アプリの維持費に関して、残念ながらエストニアの「X-Road」の維持費に関する資料は見つからなかったが、マイナンバー制度に関する日本政府の支出が2021年3月までの過去9年間で約8800億円であったことから、初期費用を除いても年間約600~700億円を投じています。
先ほどの180億円の推定と比べると、年間の維持費はざっくり40億円と推定されます。
最後に、定期総会および選挙総会にかかる費用に関して、現在のシステムでは選挙一回あたりに衆議院議員総選挙が約600億円、参議院選挙が約500億円かかっています。
また、ある労働組合がオンライン投票システム「i-Vote」を導入した結果、選挙関連の費用を約50%削減した事例があり、これを踏まえると国民総会アプリを導入した場合の定期総会および選挙総会1回当たりにかかる費用は、約300億円と予想できます。
選挙活動も基本的に国民総会アプリで行うなどより効率的な運営を行えば、費用はさらに抑えられるでしょう。
以上より、国民総会に関する初期費用は180億~数千億円程度、その後の年間費用は300億~1300億円程度と推測できます。
これだけ聞くと莫大な数字に聞こえるが、政府の無駄遣いの温床と指摘されている「国の基金」の残高が2023年度末に18.8兆円となっていることや、天下り先への資金流入、中抜きなど、日本政府が毎年、莫大な無駄金を生み出していることを考えると、それらを減らすだけで、余裕をもって用意できる金額であることがわかります。
5. さいごに
以上では、国民総会を設置すべき理由やその可能性について解説してきたが、これを実現する上での最大の課題は「総会憲法の制定」です。
これを解決するためには、国民全体の理解と協力が不可欠です。
まずは、これを読んでいるあなたから。
透明で公平な政治を、真の国民主権を実現した社会を創るために、ぜひ声をあげてほしいです。
これからの日本を担う、高校生の僕からでした。
6. 参考資料
国会会議録検索システム|衆議院 総務委員会 第1号 平成28年1月13日
東京新聞デジタル|費用対効果が悪すぎるマイナンバー制度事業…国は検証不十分
朝日新聞|【動画で解説】衆院選、いくらかかるの?選挙運動に税金を使う理由 – 衆議院議員総選挙
読売新聞オンライン|参議院選挙:[参院選2022 Q&A]いくらかかる?…予算604億円 コロナで増額
株式会社 エム・イー・シー|組合員の負担軽減と選挙コストの約50%削減を同時に実現。
朝日新聞|国の基金残高、過去最高の18兆円超に「無駄遣いの温床」膨張続く
